コミュニティが財産となる時代へ「コカ・コーラパークが挑戦する エコシステムマーケティング」
- 作者: 江端浩人,本荘修二
- 出版社/メーカー: ファーストプレス
- 発売日: 2009/11/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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SNSやマイクロブログのようなソーシャルメディアは、コミュニティそのものが大きな財産となるかもしれない。そういう可能性を示す本です。
FOSS4Gとジオメディアサミットの合同忘年会でいただきました。
インターネットの普及に伴って各企業がメディアを持つようになった時代に何が可能となるか? その答えとして、著者らは自らが携わったコカコーラ・パークの試みを中心としたさまざまな事例を元に単独の企業ではなく複数の企業、そしてコミュニティを通じてユーザーとも一つのエコシステムを形成する「エコシステムマーケティング」の可能性について説いています。
ユーザーコミュニティもターゲットにしたマーケティングというとユーザーと対話する双方向マーケティングが浮かびますが、この本で説かれているのはそれさえも超えた、企業側はハブとなりさまざまな場所でのコミュニケーションを促進し、共感を醸成し、最終的には生活の一部とする全方位型のマーケティングです。
企業が何も情報発信をしなかったとしてもコンシューマー・エコシステムの働きにより良かれ悪しかれ評判がいつの間にか広がってしまうということだ。
その証拠としてあげられているのが、オバマ大統領の選挙戦略や、悪評を好評へと変えたデルとコムキャストの例です 。
もしこういった全方位型のマーケティングが主流になるならば、ブログやマイクロブログ、SNSといったコミュニティを持つサービスにおいては、そのコミュニティそのものを財産として新しいチャンスが広がるでしょう。その一方で、単にユーザーを集めて広告を打つだけ、というサービスは淘汰されることになるかもしれません。