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泥水の上澄みは飲めない

なぜ CoffeeScript がダメか - 冬通りに消え行く制服ガールは✖夢物語にリアルを求めない。 - subtech
なぜ CoffeeScript がよいか - 0xff.toBlog()

 CoffeeScriptの是非をめぐる議論が盛んです。私個人としてはCoffeeScriptには懐疑的ですが、それは置いておいて一歩引いて考えるとここで挙げられている論点のほとんどは開発手法であれ技術であれ何か新しいものを取り入れる時にかならず出てくるものです。
 果たして、新しいものはいつ取り入れるべきか? 結論としては、泥水の上澄みは飲めない、ということになります。特にインターネット系の技術開発では比較的簡単に変化できるソフトウェアとソフトウェアに比べて簡単に変化できないが他の産業に比べれば変化が早く、かつ仮想化やクラウドなどの影響で加速がハードウェアの両方に影響されるため、最終的には何らかの形で積極的に新規技術を取り入れるハイリスクな行動と枯れた技術を保守していくような堅実な行動をミックスさせて対応するしかありません 


デメリットはメリットである

 二つの議論はどちらもメリットとデメリットを挙げるという形式になっていますが、抽象度を上げた形で書き直すと次のようになります

メリット
  1. 難しかったことが簡単になる、あるいは不可能だったことが可能になる
  2. 失敗が少なくなる
デメリット
  1. 従来の手法・知識が使えなくなる
  2. 将来の保証がない

 こう並べて行くと単純にメリットデメリットを切り分けられそうですが、実はそうではありません。
 従来の知識や手法が使えなくなるということは逆にまったく新しいものを作り出すチャンスでもありますし、また従来ではできてしまった危険な行動に対して制限がかけられるということでもあります。また将来の保証がないということは、失敗する可能性と同様に大化けする可能性も意味しています。しかし、簡単にできなかったことが簡単にできるということは人材や対外的な努力の証明などに一定以上のラインが必要な場合に問題が生じる可能性もありえます。

フリーランチはないが、腹痛は分散できる

 結局のところ、結論としては冒頭で述べとおりフリーランチがなく泥水の上澄みだけを飲めない以上は何らかの形でお腹を壊す覚悟で新しいものを取り入れ続けるしかありません。
 歴史的に見て新しい道具であるため、ベストエフォートからフレームワーク、業務システムの導入までIT技術と呼ばれるものは今まで何か大きなものをあきらめることでより大きなものを手に入れる、という特性が強いです。おそらく自爆覚悟のスクラップビルドは当分必要になるでしょう。
 CoffeeScriptであれ、それ以外の新技術であれ、デメリットが強く出るだろうと想定される領域にまで踏み込んで事例を蓄積していくことはどうしても必要になりますし、またOSSであれ業務であれそういった活動を支援していくことが最終的には自分の腹痛を和らげることにもなるはずです。
 フリーランチはないですが、おそらく腹痛は分散できます。なによりあなたが積極的にお腹を壊すことで、誰か腹痛がやわらげられるならばそれはきっとすばらしいことです